☆日本が再び立ち上がるために


◆皆様のご記憶にも新しいこととは思いますが、昨年末に開催した「2011年予測講演」及び、今年の「新春講演」で申し上げた『3月初旬から4月中旬までの間に、「日本人の背筋が凍るような、肝を冷やすような出来事が起こる」可能性が高い』という予測が、このような形で的中してしまったことは誠に残念でなりません。また、原発の心配については、前々から「どんなに技術的にコントロールは出来るようになろうと、核廃棄物の処理が安全に行える技術や、中和する技術が確立されない限り使用すべきでない」と申し上げてきました。その懸念も現実のものとなってしまいました。

◆現時点ではさまざまな方々が災害や震災の復旧に尽力なさっております。その努力には心から頭が下がります。またこのような復旧の最前線では、まずは物質的なもの、即ち、道路を片付ける重機や生命維持のためにすぐにでも必要な水、食料などの「物」が重要です。私たちのような、「人間の見えない能力を使う」分野は、今後の再興に大切になります。今は一日でも早い復旧と被災した皆様の無事を強く願ってやみません。
◆日本人が気づかなければならないこと◆
◆今の時点では「物」が最重要であることは間違いありませんが、この大災害を目の当たりにして、今までの生活の問題点に気付かれた方々も多いことでしょう。震災当初、世界のメディアが報道した日本人観は当事者である日本人も驚く程好意的なものであり、その評価の高さに感激すら覚えました。しかし、その反面、東京などほとんど災害のなかった地域における買いだめ、買占めの姿などは何か醜いものを感じた方も多いことでしょう。これだけ物が溢れた現代社会の中で、それに浸りきって、当たり前になってしまった感覚に愕然とします。日本が日常的な地震国であり、自然災害の多い国であることは常識で、少なくとも二日間くらいの生活が維持できるような防災用品を備えておくことは常識以下のことでしょう。それなのに過剰反応とパニックでした。またガソリンにまつわる狂騒も、最近の日本人を映し出す事実となりました。あるガソリンスタンドの経営者がこぼしていました。「もう商売が嫌になってきた」と。話を聞けば、「さほど必要もないのに、ほんのちょっとでもガソリンが減ると入れに来る。5リッターとか、ひどい人になると1リッターしか入らないのに給油に来る。また理不尽な要求をする人も多かった。」ということでした。被災地での整然とした秩序とは大違いです。正に「平和ぼけ」ならぬ、「物質ぼけ」でしょう。日頃の備えが如何に重要であり、パニックを回避できるか、の教訓となりました。平和故に平和のありがたさを忘れる。物が溢れているが故に、無駄な消費に罪悪感がなくなる。日本人は再度、節度ある消費と人間教育を行う必要が出てきていると感じます。以前、宇宙から見た世界各地の夜景を雑誌で見たことをご紹介いたしましたが、日本列島はその形がはっきりとわかる程の明るさでした。「夜の明るさは文明の証」と云われましたが、すでにそれは反省すべきことなのだと思います。
◆新たな価値観の必要性◆
◆先ほど原発の件でも触れましたが、未来創学アカデミーの思想の中でも、当然技術のすべてを否定するものではありません。人間は常にものを考え、創造します。出来上がった結果が良いか悪いかは別として、新しい技術を開発してゆきます。これは本能であり、人間の真理でもあります。未来創学論の中で申し上げているのは、新しいものを開発したからといって、それらをすべて使う必要はないということです。人間はその能力の中で、新しい技術の善悪を判断し、時期尚早と考え、「あえて使わない」という決断も出来る筈です。その判断基準をどこに持つかということが重要で、その一つが宇宙的視野で物を見るという姿勢です。これは人間のあり方を考えることでもあり、地球環境との係わり合いを考えることでもあります。現代の知恵として科学があり、哲学があり、宗教などがありますが、今までの知識と慣習では対処できない事態が現実には多々発生しています。逆にいえばそれらの今までの知識が立ち遅れてきているともいえるのです。最先端技術でも制御し切れなかった今回の原発。災害研究の最先端でも予測出来ない大災害。普段は神仏が信仰者を守ると言い布教を続けているのに事実として災害から人々を守れない宗教…。まだまだ人間は学ばなくてはならないことが沢山あるということです。その大きな一つに「勘を磨く」という能力開発があります。本来人間に備わっている危機回避能力や癒しの能力を積極的に引き出すことが大切です。これは宗教では成し得ない事柄であることに、既に多くの方々は気付いていることでしょう。人口が爆発的に増えてきている今、旧来の価値観ですべてに対処することは出来ません。これからの人間はもっと「人間力の開発」に力を入れ、新しい価値観を持って未来に進んでゆかなくてはならない時代となりました。
◆「節度ある」行動で奇跡の復興を!◆
◆今回の災害は、その復興と心の癒しに、多くの費用と物資と時間が必要になるでしょう。どうしてもこのような時期は「自粛」という意識が先行してしまい、気持ちも行動も引き篭り気味になってしまいます。しかし、一定の時期が過ぎた後には積極的な行動が必要です。今回で言えば、原発の事故が、ある程度の収束を見た頃になるでしょう。積極的な行動とは、「活発な経済活動」と「人間としての喜びを満たす行動」です。仕事ができる人は積極的に働き、稼ぎ、復興のための資金を提供して下さい。そして大いに遊び、楽しみ、発散して、人生を謳歌していただきたいと思います。

◆何故ならば、今回の震災後、複数の霊現象相談が私のところに寄せられました。その共通点が一様に「霊に取り憑かれた」というものでした。無理もないことです。災害によって不意に、そして不本意に肉体を失ってしまった生体エネルギーが一斉に放出され、我々に合体して来ています。そんな中で、合体される側の人間も、日々の報道などで意気消沈し、哀悼の気持ちを強く持ち、エネルギーが不安定になっています。そこに不意な合体が急に多数起こったことにより、このような現象が起こったのです。自然の摂理として当然の現象ではありますが、我々はそれを受け止め、癒してゆくことが生き残った人間の自然な役割なのです。ですから、人生を不意に断ち切られた人々の生体エネルギーのためにも、充実した人生を送る義務があります。そうした意味でも一所懸命働き、人生を謳歌し、有意義に過ごす必要があります。これが物質的援助とは違った面での人間の重要な役割であり、後世に贈る癒しの力となります。

◆この行動に欠かせない要素が「節度」です。この節度を今の人間は忘れかけてしまっているのではないでしょうか。人を踏みにじっても自分の快楽を優先したり、人を踏み倒してでも自分の利益を得るなどということは本来あってはならないことです。お互いがそれぞれの足りない部分を補いながら、相互に利益を得てゆくのがあるべき姿です。今回の災害を機に、反省し、世界の評価に答えられるような、否、それ以上の素晴らしい復興を成し遂げることが、今の日本人がなすべきことだと考えます。再び日本が立ち上がるために今回の災害は日本人に、人間に、多くの傷跡と教えを残しました。「教えを残した」という表現は適切でないかもしれません。言葉は大切です。「人は自然から学ばなくてはならない」というのが正解でしょう。その重要点が、自然災害に対して「万全はない」ということと物質的な事柄ですべては解決しないということです。大切なことは、それらをコントロールするための「魂の健全性を保つ」こと。物質欲に走り、節度を失いブレーキがかけられなくなると、人間は正常な判断を失います。これからは心をコントロールする「教育」が更に重要です。◆日本がこの災害から立ち直り、世界をリードする精神的な豊かさを持つ国に生まれ変わるよう、皆様とともに未来創学アカデミーも最大源の努力をしてまいります。

◆人間の「心の五原則」は次のことを教えています。・他人を踏みつけず、その存在を脅かさない・感情を安定させる努力をし判断を誤らない・生命の前提である惑星を傷つけない・前向きな思考を努力する・宇宙の法則を探求し、身につける当たり前で、単純なこの「心の原則」を実践することの難しさ。それでも旧来の価値観を捨て、新たなる価値観に切り替えましょう。

◆不幸なるこの災害が、せめて新しい時代の幕開けのための気付きになるようにしなければならないと考えます。