第二部第四回


 今年もちょうど半年が過ぎ折り返し地点となりましたが、お天気もなかなか安定しない不順な気候の中、皆様は如何お過ごしでしょうか。

 4月号から始まった「未来創学アカデミー創立25周年記念学長特別インタビュー」も第4回目を迎えました。

 先月までは私たちも持つ、人間の能力について語っていただきましたが、能力開発には「コツが必要」ということで、また宇宙の探求をすると「世界観が圧倒的に広がる」ということでした。今回はこの辺の観点から菊地トオル学長に、もっと深く未来創学論を語っていただきたいと思います。


能力開発の「コツ」!


編集部(以下、編):前回まで、私たち人間が誰でも持っている能力についてお話いただき、その開発の「コツ」に触れていただきました。


菊地トオル学長(以下、学長):そうですね。その「コツ」とは、まず「意識を変えること」即ち、「特殊な能力は自分にはないんだ」という考え方を変えて、ヒーリングやオーラ・リーディングなどの超能力、霊能力は「自分にもある!」と認識していただくことが最初。そして意識を変えたら、「やってみる」こと。そして「学ぶ」ことであるとお話しをいたしました。まぁ、学ぶことと意識が変わることは相関関係でもありますからどこから入っても良いのですが、大まかに言えば、やはり「興味を持っていただく」ことが最も重要でしょう。つまり興味を持って調べて行くと意識が変わる。また逆に何かのきっかけで意識が変わるともっと知りたくなるという構図です。これを未来創学アカデミーでは「心の成長3原理」と言っています。「知る・省みる・成長する」という3つの要素ですが、学ぶ(知る)ことによって意識が変わったり、自らの反省を行なえる(省みる)。そして今までより一段と知識と経験を持った自分が違う観点から学び始める(成長)。これを成長のスパイラルというのですが、能力開発でも同じで、意識が変わって挑戦して、わからない部分を更に学んでゆくという良いスパイラルに入って行くことが望ましいのです。


編:この3要素が揃うとバランスがいい?


学長:そうです。特にヒーリングなどの場合、生体エネルギー(生命力)に直接関係することなのでやたらと相手に施すと自分に跳ね返ってくることになります。ですから、ちゃんと仕組みを知り、危険性を習得しておかないと自分にもトラブルが発生することがある。アカデミーのヒーラー養成ではこの辺は十分注意を払っています。


編:「意識を変える」「実践する」「学ぶ」ということですね。よくわかります。何か自分でもやれそうな気分になって来ました(笑)。それから学長は「実践をしているとカンが養われる」とも仰っていましたが。


学長:これが大変な要素です。皆様も社会で働いていたりすると自分の専門分野などで「なんとなくわかる」ということがあるのではないかと思います。私の友人に建築設計に携わる人がいて、彼曰く「家が歪んでいたりすると何となくわかる」という話しを聞いたことがあります。

勿論見た目にも傾いていれば誰にでもわかると思いますが、プロになると数ミリ単位でわかることがあるということでした。また、あるテレビ番組でお寿司を握る板前のプロはシャリの粒数がいつもほとんど同じになる、というのを見たことがあります。見事でした。このように実践を重ねると「ある種のカン」が生まれてくる。

これが大切です。先日もある週刊誌に、沖縄を防衛する自衛隊哨戒機乗務員の記事があって、その中の一人の話として、上空から監視をしていて怪しいものが海にあるときには「ひらめく」というのです。勿論最先端機器で分析をしているのですが、偵察員には「何か違う」という感覚が湧くのだそうです。いったん空に上がると一日8時間前後、約百隻をチャックするのだそうですが、それをもう十年以上続けていると、怪しい船を見分けてきたその経験が曰く言いがたい独特の勘を育み、それを重ねるほどにカンは鋭く研ぎ澄まされていく、ということでした。

ベテラン刑事の不審者発見にも同じような勘があるというこで、職人技には第六感が芽生えるのです。


編:第一印象とはまた別の感覚が訓練によって芽生えると言うことですね。だから能力開発も実践を積み重ねることが大切ということですね。学長も今でも技の積み重ねの感覚はありますか。


学長:勿論です。日々発見というところでしょうか。例えばヒーリングでも全部が全部上手く行くとは限りません。日々の積み重ねの中で新しくわかることが沢山あります。それを考え、応用し、より自分を磨いて行くという感じです。

今までお話してきたように、やればやるほどいろいろなものが見えてくるし、チャネリングも増えてくる。そうすると宇宙への理解も増し、社会や世界の見方も変わってくるという感じです。毎日が貴重な体験です。一般の勉強や仕事と能力開発も同じだと思います。ただ超能力や霊能力という特殊な分野はなかなか触れることが少ないだけだと思います。


何か得になることはありますか?


編:学長の経験・体験で結構ですが、未来創学アカデミーを始めてから何か変わったことや、得したこと(笑)はありますでしょうか。


学長:面白い質問ですね(笑)。

実は未来創学アカデミーを始めた頃、良く尋ねられた質問なんです。


編:そうなんですか。


学長:最初に未来創学論に触れる方の反応はおおかた二手に分かれます。人間のエネルギー構造や宇宙のチャネリング情報を聞くと、一方は「面白いですね。もっと聞いてみたい!」という反応。もう一方は「面白いですね。ところでそれを聞くと何の得になるのですか」という方々でした。どちらがどうと言うわけではないのですが、もともと私自身が初めから「宇宙を学ぶとこれこれの得があるから皆さんも聞いてみて!」という感覚で始めたものではなく「私が自分自身でチャネリング情報を得てみたら面白かったので多くの人に聞いていただこう」と思っていただけなので、この「何の得になるんですか?」という質問に長い間応えきれていなかった。


編:それはちょっと意外ですね。こちらとしては単純な質問だと思うんですが。


学長:そうなんです。誰でもが持つ疑問ですよね。25年も経って何でいまさらと言う感じですが、今ならこの質問にも明確にお答えできます。


編:それは楽しみです。では何の得がありますか(笑)


学長:まず、人生が楽になります。

それが何故かと言えば、宇宙的視野に立つと自然に価値観が変わってきます。すると生活のあらゆる部分において判断の視野も広くなり、正確性が上がってきます。つまり判断ミスが少なくなるのです。ミスが少なくなるとトラブルが減り、後悔も減ります。こんな良いことはありません。

これは私自身も能力が開いてから30余年にわたって実感してきていることです。何しろトラブルが極端に減ります。逆に言えば、人生にトラブルが多い人は当たり前かもしれませんが、日々の何気ない判断が間違っていることが多いのです。ミスやトラブルが多いと、当然悩みも多くなりますから精神的に落ち込みます。精神的にダメージを受けるとまた判断を間違えますよね。これが負のスパイラルということです。ここでは細かい実例は省きますが、価値観が宇宙的視野になり、変わってくると本当に判断が正確になってきます。


編:それはよくわかります。

他の国を見ていても、「何でそこにこだわるの?それをやめれば楽になるのに!」と思うことはいくらでもあります。価値観を変えると「何故自分はあんなことにこだわっていたんだろう」と思うこともたくさんあります。ましてや宇宙的視野ですものね。きっとコペルニクス的転回でしょう。他にもありますか?


学長:それから「勘」が鋭くなります。

先程もお話ししましたが能力開発は、勘をみがくことでもあります。そしてそれが単なるあてずっぽうの勘ではなく、テレパシー的な部分での勘ですからより確実性が出てきます。従って勘が鋭くなると、相手を見る目が養われ、人間関係をスムーズに進めることが出来ます。社会のほとんどの出来事は「人間関係」で成り立っていますから、それが上手く行くことは自分の人生においてこれほど良いことはありません。


編:そうですね。


学長:勘が鋭くなり人生が楽になる。

別にこれは通信販売の「誇大広告」ではありません。宗教の勧誘でもない(笑)。私自身も感じた実感なんです。また具体的にはヒーリング能力などは大変実用的です。これは医学に対抗するものではまったくありません。治療や薬の効果をより有効に出来るかもしれない自然治癒能力の向上手法です。私には忘れられないある方の言葉があります。私がヒーリングを指導し、

家族を救った人の言葉です。「私は今回たまたま父を回復させることが出来た。それ自体心から嬉しかったけれど、人間はいつかは死んでしまう。だから救えないこともあるだろう。でも医学が見放そうが、神が見放そうが、愛する肉親に自分自身でしてあげることがあったことが何にもまして嬉しかった」素敵な言葉です。まさにやってて良かったと思った瞬間です。